インボイス制度で経理処理への影響は?請求書・仕入れ・顧客等への対応

2024年5月22日
インボイス制度で経理処理への影響は?請求書・仕入れ・顧客等への対応
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インボイス制度の導入により、経理担当者は実際の経理業務にどのような影響があるか?注意点があるか?など気になることが多いでしょう。
ここでは、インボイス制度による経理業務への影響について、以下の内容について解説します。

この記事でわかること
  • 請求書などの書式
  • 仕入れに関する注意点
  • 顧客などへの対応
  • 経費精算での留意点

請求書などの書式の見直し

従来の区分記載請求書の記載事項に加え、登録番号や税率ごとの消費税額等をしなければなりません。
そのためインボイスとなる請求書・領収書などの書式を変更する必要があります。

インボイス制度における仕入れに関する注意点

① 会計ソフトへの入力

会計ソフトへの仕入れ入力の際「消費税10%」「軽減税率8%」の税率別の入力をします。
また、適格請求書発行事業者ではない事業者からの仕入れを分けて入力する必要があります。

② インボイスがない場合の仕入れ

インボイスがなく、帳簿の保存のみで仕入税額控除が認められるケースは限定されています。
仕入れ税額控除を受けるためにインボイスを受け取る必要があります。

インボイスの発行義務・保存義務が免除されるケースについては、別記事で紹介します。

現行制度では自動販売機利用、回収されてしまう入場券、請求書交付が受けられなかった場合などは3万円以上の場合でも帳簿のみで仕入れ税額控除が認められていました。
令和5年10月1日以降はこの取扱いは廃止されますのでご注意ください。

③ インボイスの記載内容に誤りがある場合

区分記載請求書等保存方式では、「軽減税率対象品目であること」や「税率区分ごとの合計額」に記載漏れがある場合、仕入れ側が事実に基づき追記することができました。
しかし、インボイス制度ではそのような追記は認められません。

インボイスの記載漏れや誤りは、発行側に訂正してもらう必要があります。

④ 取引先が適格請求書発行事業者であるかどうかの確認

適格請求書発行事業者の名称・登録番号は、国税庁のWEBサイトで公表されています。
法人番号のように誰でも閲覧可能です。
取引先が適格請求書発行事業者かどうか確認しましょう。

このサイトでは、適格請求書発行事業者の登録を受けている事業者の情報を公表しています。
www.invoice-kohyo.nta.go.jp

⑤ 売上税額、仕入税額の計算方法

インボイス制度導入後も売上税額の計算は割戻し計算が原則となります。

自社が交付したインボイスに記載された税額を積み上げて計算することも認められています。
仕入れ税額の計算は、受け取ったインボイスに記載された消費税額を積み上げて計算する「請求書等積上げ計算」が原則となります。
ほかに帳簿積み上げ計算、割戻し計算も採用できますが、一部併用できないケースがあるので注意が必要です。

積上げ計算
インボイスに記載された消費税額を積み上げた金額を売上に対する消費税額または仕入に対する消費税額とする方法です。
割戻し計算
税率ごとに区分して合計した税込金額に消費税率を乗じて計算した金額により、消費税額を計算する方法です。

顧客への対応

インボイスの発行について取引先から問合せを受けることもあるでしょう。
制度内容を理解し、問合せ時の対応方法を社内で共有しましょう。
経理業務に携わる社員だけでなく、営業・事務などの他部門とも共有することが重要です。

経費精算での注意点

インボイス制度導入後は、経費精算におても経理部門へ影響があります。
中でも以下のものは注意が必要です。

経費精算で注意したい事例
  • 個人タクシーの利用
  • 個人商店からの仕入れ
  • 個人営業の店舗での飲食
  • 店舗、駐車場の賃貸
  • フリーランスへの外注 など

個人タクシーの利用や店舗での飲食は出張先や取引先に出向く時に生じることが想定されます。
インボイスが発行されなければ仕入れ税額控除ができません。インボイスが発行されるか確認するように従業員にも周知徹底しましょう。

最後に

インボイス制度では適格請求書に記載する項目が従来よりも増えるため、請求書の書式やシステムの設定変更が必須になります。
また、会計ソフトで仕入れ入力をしている場合も、インボイスを確認し免責事業者からの仕入れで仕入れ税額控除を受けられるように注意しましょう。

制度導入後に経理処理がスムーズに進めらるれように、経理部門だけでなく会社全体で情報を共有することが重要です。